子供の歯が欠けた
お子様をお持ちの方へ
小さい子は転倒しやすく、その際に反射的に手をつけないことが多いため、よく前歯を打ってしまいます。症状が軽い場合は気がつかなかったり、そのまま放置されることも少なくありません。症状がみられなくても歯、歯の周りに影響を受けていて、その後しばらくしてから症状が出てくる場合があります。そのまま放置しておくと、後にはえてくる永久歯に悪い影響を与える場合もあります。
①歯が欠けてしまった
軽度の場合は、詰め物や被せ物で処置し、しばらく経過をみる必要があります。歯が欠けて神経まで達するような場合は、炎症が起きて強い痛みや歯ぐきの腫れなどを引き起こすことが多いので、状態によって神経の処置を行い、最終的に歯を元の形に修復します。
②歯がグラグラと動揺している
動揺が軽度の場合は、できるだけ安静にして様子を見ますが、明らかな動揺がみられる場合は、両脇の歯と固定して安静を図ります。
③歯が抜け落ちてしまった
歯が抜け落ちた場合は、条件が良ければ再植(歯を元の位置に戻す治療終了)を行います。問題が生じてからの時間が短く、歯の周りの組織の損傷が軽度で、脱落した歯の保存状態がよいほど、再植の予後も良好になります。
④歯の変色・歯肉の腫れ
数か月して徐々に歯の色が黒ずんでくる場合は、神経が死んでいる可能性が高くなりますので、レントゲン検査をして治療法を検討する必要があります。
【応急処置のアドバイス】
大切なことは抜けてしまった歯や、折れてしまった歯を乾燥させないことです。歯には歯根膜という、歯の根っこを骨につなぐ組織があります。この歯根膜は乾燥に弱く、30分で半分以上、120分で大半が死んでしまいます。
抜けた歯の保管場所として適切なのは本人のお口の中です。流水で10~20秒軽く流して抜けた穴に戻してください、それが難しい場合は、学校なら保健室に保存用の容器がある場合もありますし、なければ牛乳にひたしてください。